【手術・入院する病院を選ぶ目安】
【手術前の準備】
【その他の情報】
手術を受けると決めたら、それなりの準備が必要になります。入院から手術、術後に必要な知識をまとめてみました。
なお、この情報は、会員の経験を元に作成しています。病院により環境等が異なることが考えられますので、あらかじめご承知の上で、情報を活用して下さい。
                                                   
【手術・入院する病院を選ぶ目安】      

股関節症の手術を受ける場合、一般的に入院期間が3週間〜3ヶ月程度と長くなります。手術後、歩行可能になるまでにかなりの時間を要することもあります。また、リハビリ期間には、手術を受けた病院とは異なるリハビリ専門病院への転院を勧められるケースもあります。それらの期間中の、家族への負担や、自分の身の回りのことを考慮して病院を選択する必要があります。
考慮すべきポイントは以下のとおり。

@手術を受ける病院に「股関節の専門医」はいるか
整形外科医の中では、腰、膝、股関節など医師の専門が大枠で決まっているようです。病院に股関節の専門医がいるかどうかは、大きなポイントになると思われます。

Aリハビリ施設の充実度
場合によっては、術後長期間にわたり歩行できないため、術足ではない足も萎えてきます。そのため、リハビリが重要なポイントになります。リハビリを同じ病院で行うことができるのか、別の専門病院に移る場合には、どこにどのタイミングで移るのか等の詳しい情報を得ておく必要があります。

B自己血の準備等
股関節手術は、骨を切るケースになるため、手術前に自己血の貯血を行うケースが多く、手術前に800〜1200mlの採血・貯血をします。1回400ml、2〜3回の採血があり(各採血の間は1週間程度空けます)、採血には1回に数時間かかります。造血剤の投与もあります。こういった設備がしっかりしているかどうかも、病院選びの目安になると思われます。

C通院のしやすさ
術前はもちろん、術後の診察やリハビリでの通院がしやすい場所かどうかは、大きなポイントになります。場合によっては、松葉杖や車椅子での通院が必要になることも考えられます。病院との距離だけでなく、最寄り駅にエレベータもしくはエスカレータがあるかどうかなど、詳細にチェックしておくことが望ましいでしょう。

D家族の通いやすさ
術後しばらくの間は、自活が困難になりがちです。家族が通いやすい場所かどうか(家族の勤務地からの距離など)もポイントになります。

手術を受けると決めたら、もう一度以下の点をチェックしてみましょう。

  ・セセカンドオピニオンは受けましたか?
  ・主治医に親近感を持てましたか?
  ・看護師の対応はどうですか?何でも相談しやすい雰囲気ですか?
  ・場所は通いやすいですか?
  ・設備はしっかりしていますか?
  (個室/共同部屋,ベッド,シャワー・風呂/入浴時間,アメニティ(テレビ・冷蔵庫),食事の状況など)
  ・病棟での備品は十分に整っていましたか?(床ずれマット、サイドテーブル、車椅子、松葉杖など)


【手術前の準備】

1.手術及び手術後に必要な物品の準備(手術の3日前くらいまでに用意しておくことが好ましい)

手術後しばらくベッド上安静が続くため(特に自骨手術では安静期間が長い)、仰向けで寝たままの姿勢での食事や排泄ができるような物品の準備が必要になります。
病院の形式及び症状や手術の方法により、必要なものが異なるかもしれないので、あらかじめ看護師に確認しておくとよいでしょう。

1)手術時に必要なもの

@T字帯: 股関節の手術をするため、術後下着を身に着けることができません。その代わりのをするものです。洗い替え用も含めて5枚程度あると安心でしょう。市販品の中には、前部が2つに裂けているものや、ビニールがついているものもあるようですが、裂けている必要はありません。また、ビニールは蒸れるのではずしておいた方がよいでしょう。
Aバスタオル: 術後動かせない身体をバスタオルでくるんで動かすために用います。身体の半分以上を覆うことのできる大きめサイズがよいでしょう。洗い替え用を含めて3枚程度あるとよいでしょう。

2)手術後に必要となるもの     

@洗面用具・フェイスタオル等: 通常の用具。但し、洗面台に行けるわけではなく、ベッド上で行うことになります。
A洗髪用具: 病院によっては、長い間洗髪してもらえないケースもあります。それがいやな人は水無しで洗えるシャンプーが市販されているので、用意しておくとよいでしょう。
Bストロー付きタッパー(水呑み): 寝たままの姿勢で飲料を摂るためのものです。耐熱温度が80度までなので、熱いものには向きません。手術によっては、数日で起き上がれる場合もあり不要のケースもあります。
C大き目のボトル: 洗面等に用いる水を入れておくためのものを用意しておくとよいでしょう。ストローつきのものがあると何かと重宝します。
Dスプーン・フォーク・箸・曲がるストロー等: 飲食に使用するものです。
E手鏡: 大きめサイズがベター。手の届かない場所を見るために使います。
Fちり紙(落とし紙): ベッド上の便器での排泄に使用します。そのため水洗トイレに流すことが可能な紙にしましょう。排泄物を看護士が処理しやすくなるために用います。
G消臭スプレー: 術後はベッド上で排泄を行うことになります。お互い様という考え方もありますが、エチケット用に用意しておくとよいでしょう。
Hマジックバンド: 必需品!という人もいます。術後体を動かすことが難しいため、ちょっとしたものを取るのに重宝します。おもちゃのもので十分機能します。
IS字フック: とにかくベッドの上での生活に限られます。身の回りのものが、手の届く範囲にあるとラクです。そういう時、ベッド脇にS字フックでいろいろなものを吊るしておくようになります。
J長い柄付ボディブラシ: 術後ひとりで入浴する時、かがむことが難しくなります。足先を洗うのに便利です。
K弾性ストッキング: 術後しばらく脚を動かせないため、肺塞栓症になる危険性があると言われています。予防用に弾性ストッキングを用意しておくことを勧められることがあります。看護師の指導に従ってください。

3)リハビリの過程で必要となるもの
   ※家族に頼めるかもしれませんが、手術前に用意しておいた方が良いでしょう。

@運動靴: 松葉杖歩行の練習に使用します。履き慣れた、クッションの効いたものが適しています。
A水着: プールでのリハビリが必要になる場合があります。事前に医師に確認しておくと良いでしょう。

2.食事練習    

術後は(30度程度にベッドを上げることが可能な場合もありますが)しばらく仰向け状態での摂食となります。タオルまたはビニールを胸に当て、手鏡を利用し、確認しながら食べる練習をしておくとよいでしょう。ご飯食をおにぎりにしてもらえる病院もあるようです。スプーン、フォーク、トング等、使いやすいものを使用することも考えましょう。

3.排泄練習

便器の使い方は以下の通りです。事前に練習をするというのは難しいかもしれませんが…。

@大便の場合は使用前に便器の中にちり紙(落し紙)を敷きます(便器から取り出しやすくするため)
A手術する方の脚は伸ばしたままにし(できる限り動かさない)、良い方の膝を立て、そちらの側から便器をお尻の下に挿入します。

4.腕と脚の体操

手術後しばらくベッド上安静が続くため、特に下半身の筋力が低下してしまいます。身体を支えたり、リハビリ時の松葉杖生活をしたりするためには腕の力が重要になります。筋力低下予防のための腕と脚の体操をしておきましょう。

5.車椅子、松葉杖・杖歩行の練習

術後にしっかり指導されるが、事前に練習する場合もあります。リハビリ科もしくは看護師の指導に従いましょう。 利用前にきちんと道具のチェックをしましょう。


【その他の情報】

1.費用

手術を受けるとなると、入院や検査などにかかる費用が心配です。費用は、入院日数・病院(私立か公立かなど)にもかなり左右されます。以下は、あくまでも目安です。
費用については、かなりかかるため、支払いが困難と考えられる場合は各病院のソーシャルワーカーに相談してみると良いでしょう。
なお、差額ベッド代は、自分から望んだ場合には保険が効きませんが、病院の都合の場合には、交渉の余地があるようです。入院日数が比較的長くなる病気ですから、注意しましょう。
健康保険等の適用により、かなりの金額は戻ってくるものと思われますが、とりあえずの支払いがかかることも覚悟が必要です。人工股関節置換手術で数十万〜100万円程度準備した人もあるようです。

費用の項目:手術料/人工股関節用具/松葉杖・車椅子レンタル/レントゲン・血液検査・入院中の投薬等費用
         食事代/レンタル寝間着・手術着代/差額ベッド代/その他備品代(TV代・冷蔵庫代・電話代等)

2.更生医療・介護保険

身体障害者手帳を持っている人は更生医療を利用できる場合があります。更生医療は指定病院(これは福祉事務所でわかります)でのみ受けられます。
退院してからの家事が心配になる人は、入院以前に福祉事務所に介護保険の利用について相談しましょう。変形性股関節症は特定疾病ですので40歳から該当します。手続きには日数がかかりますので手術を決めたらすぐに福祉事務所に申請しましょう。

いろいろな福祉サービスと費用助成を有効に使い、体力面でも金銭面でも最小限の負担で乗り切りましょう。